【体験談】おあつらえは怖くない!~「きもの処 染重」で体験~

着物を愛する方なら、いつかは挑戦したい憧れの「おあつらえ」。前回の記事では、おあつらえ着物の魅力3つをご紹介しました。
(前回の記事はこちらから)

「おあつらえは長い目で見ると経済的で、誰にもまねできないおしゃれが叶うのは理解できる」けど、「呉服屋さんに行くには、心の準備が……」というあなたに代わって、今回はadenabitoオーナーの竹岡さんがおあつらえを体験しました。その一部始終をご紹介します。

● Youtube版 【体験談】おあつらえは怖くない!~「きもの処染重」で体験~

初心者さんの目線でご紹介「おあつらえの世界」

今回は、竹岡さんがかねてから信頼を寄せる「きもの処 染重」さんにて、おあつらえをさせていただきました。「染重さんは、あえて高値に設定して割引するのではなく、良い品を実直にお値打ちにしてくださるので安心です」と竹岡さんは話します。

今回は「きもの処 染重 四日市店」に伺いました。

1)お店に足を運ぶ

思いつきでお店に伺っても大丈夫ですが、事前に予約をして来店すれば、よりゆっくりと相談できます。もちろん予約をしたからといって、必ず購入しなければいけないわけではありません。

「なんとなく断りづらくて購入してしまった」ということがないように、「自分の希望通りのものでなければ買わない」と心に決めてお店に向かいましょう。

左から、店員の諸戸(もろと)さんと社長の中澤さん。お二人とも着物姿がすてきです。

「利用シーン」や「訪れたい場所」を細かく伝えます。

2)欲しい品のイメージを伝える

着物の名称や種類など難しいことはわからなくても大丈夫です。「どんなシーンで着たいか」をお話します。イメージに近い着物の画像や雑誌の切り抜きなどがあると、より具体的に伝わります。

今回竹岡さんは、「友人とランチやお出かけする時にさりげなく着られるものを」と伝えました。

予算を聞いて「なんとか頑張ります!」と中澤さん

3)プロのアドバイスを伺う

店員さんは、お客様のご希望の利用シーンを聴き、シーンに見合った着物を提案します。

またこの時中澤社長は、「ご予算はありますか?」と竹岡さんに尋ねられました。もし予算が決まっていれば、臆することはなく堂々とお伝えしましょう。店員さんとお客さんの間で予算のイメージが大きくかけ離れていることもありますから、あらかじめ伝えておくと安心です。

ちなみに、この時竹岡さんは「10万円くらいで」とお伝えしました。

おすすめの品が、ふんだんに広げられます。
紬の知識や、最新情報などわかりやすく教えてくださいます。
「この絹をまとう瞬間が好きなんです」と竹岡さん

4)反物(たんもの)を選ぶ

おすすめいただいた中から数本の反物を選び、実際に身にまといます。自分の雰囲気に合ったものかどうか、また自分のイメージする着物と近いかどうかをチェックしましょう。

「どっちも素敵で選べない!」と笑い合うお三人
白い仮衿(かりえり)の上に、濃い色の反物を合わせます。

やがてお気に入りが定まったら、「着装」をしてくださいます。着装は、反物を体に巻き、着姿をよりお仕立て後に近い状態で確認できます。これは、お店に足を運ぶ「おあつらえ」ならではの光景、店員さんの技が光ります。

お袖(そで)の形もしつらえます。
柄の出方で、かもしだす雰囲気も変わります。

帯もいくつか見立てていただいて、イメージを膨らませます。

「おまかせください!」と手際よく採寸する諸戸さん

5)細かく採寸していただく

いくつかのお着物を着装して、とうとうお気に入りの一点が決まった竹岡さん。さてお次は採寸、これぞ「おあつらえ」の醍醐味です。細かく採寸して、自分の体にフィットするように仕立ててもらいます。

仕上がりが待ち遠しくなります

6)仕立て上がりを楽しみに待つ

最後にお支払いをします。支払い方法はお店によってさまざまです。希望の支払い方法がある場合は事前に確認をしましょう。約2カ月後の仕立て上がりを楽しみに、店を後にしました。

竹岡さんがどのお着物に決めたのかは、次回の記事をお楽しみに!

教えて竹岡さん!「おあつらえの心構え」とは?

adenabito 竹岡さん

Q:どれくらいの時間が必要でしたか?
約2時間です。「着装」に少し時間がかかるので、余裕をもっていきましょう。

Q:当日の服装で気をつけたことはありますか?
着装の時に仮の衿(えり)を付けてもらいますので、ハイネックは避けました。衿周りの雰囲気も重要なポイントですので、イメージが湧きやすくなります。

Q:ご予算とお値段のバランスはいかがでしたか?
希望した額内に収めていただけたので嬉しかったです。とはいえ、既製品の洋服と比べると高く感じますが、今後も着物を愛用し続けたいので、コストパフォーマンスは良いと思います。また相場の検討がつかないという方は、まずは反物を見せてもらうだけでも勉強になりますよ。

Q:今回のおあつらえでご自身の希望は叶いましたか?
はい、希望通りになりました。利用シーンに合う「紬(つむぎ)」を数多くご提案いただきましたが、さりげなくおしゃれに着こなせる反物が大変多く、迷ってしまいました。

Q:初めておあつらえする方にアドバイスをお願いします。
呉服屋さんとイメージを共有するため、「希望の利用シーン」をできるだけ鮮明に伝えることが大切です。また好みのものがなければ無理して購入する必要はありません。購入しないと伝えても、誠実に対応してくれる呉服屋さんこそ良い呉服屋さんだと考えています。

おあつらえする着物は、「いい気持ち」でお迎えしたいものです。それが着物への深い愛着にもつながります。呉服屋さんは着物を愛するみなさんの強い味方です。ぜひ一歩踏み出してみましょう!

おあつらえは、信頼のできる呉服屋さん選びから

一着で数万円以上するおあつらえ着物は、大変貴重なものです。判断をせかしたり、無駄に高い品を勧めたりするなど、あなたが「怖い」と感じる呉服屋さんで購入する必要は全くありません。信頼のできる呉服屋さんをゆっくり探す気持ちで、まずはいろいろなお店をのぞいてみましょう。

次回は、きもの処 染重・中澤社長へのインタビューをご紹介します。おあつらえ初心者さんが知りたい「呉服屋さんにまつわる疑問」にお答えいただきました。また、今回おあつらえした着物と、コーディネート例もお披露目します。どうぞお楽しみに!

※adenabitoでは個別着物相談を承っています。「どこでおあつらえしていいかわからない」とお悩みの方もぜひ一度ご相談ください。
→個別着物相談についてはコチラから

【取材協力】
きもの処 染重
https://someju.com/

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です