着物をきれいに着るためにはマイサイズが重要!採寸や寸法直しの方法を解説

着物をきれいに着るコツは、自分の体型に合ったサイズで仕立てた着物を着ることです。

「お気に入りの着物だけど似合っていない気がする……」などと感じていませんか?

それは着物のサイズが合っていないせいかもしれません。

譲り受けた着物や仕立て上がりで購入した着物などは、マイサイズにお直しするとすっきりと美しく着られます。

自分にぴったりのサイズで着物を着たい方のために、寸法直しに必要な採寸やお直しの方法を説明します。

着物のサイズの測り方は?

自分にぴったりのサイズの着物を仕立てるためには、必要な部分のサイズを測ります。

身丈や身幅などの寸法を割り出すために身長・裄・バスト・ヒップの採寸が必要です。

身幅とは衽幅、前幅、後幅のことを言います。

身丈とは着物の丈のことで、女性用の着物はおはしょりがあるため身長と同じ長さになります。

身丈と似ている言葉に「着丈」がありますが、着丈は着付けたときの丈のことです。

裄は肩幅と袖幅を合わせた丈のことをいいます。

裄を採寸するときは、首の付け根に出ている骨から手首の骨の突起までを測りましょう。

採寸する際、腕を45度で下げて測ると着物を着たときの袖口の位置がわかりやすくなります。 

マイサイズで仕立てた着物があれば、着物を平らに置いてサイズを測るといいでしょう。

採寸が不安なときはサイズ直しを依頼する呉服店などでお願いしてみてくださいね。 着物のプロがお直しに必要なサイズを正しく採寸してくれます。

マイサイズの割り出し方

身丈や身幅は、採寸したサイズをもとに着物を仕立てたり寸法を直したりします。

体型別で目安の寸法を表にまとめました。

袖口や袖付け、衽幅などはほぼ同じ寸法ですが、体型に合わせて調節しましょう。

袖幅は裄の寸法の1/2かやや広め、肩幅は裄から袖幅を引いたサイズにします。

身幅の目安はこちらの表の通りです。

衽幅は4寸と決まっていますが、ふくよかな方は2分ほど広くするといいでしょう。

寸法直しはできる?かかる費用は?

身丈は身長に5cm程度の差でしたら着付けをするときにおはしょりで調整が可能です。

5cm以上差があるときは寸法を直したほうがきれいに着られます。

裄は3cm程度の差であれば着られますが、それ以上の差があるときはサイズ直しがおすすめです。

小さいサイズへのお直しはできますが、大きいサイズへとお直しするときは縫込みに余裕があれば直せます。

寸法直しはお直しの箇所だけでなく他とのバランスを見るため、お直しする部分が増える場合もあるでしょう。

例えば、身丈を短くしたり衽幅を広くして調整したりするときは衿のお直しが必要になります。

寸法直しにかかる費用は直す部分により異なります。

長襦袢がある場合は一緒に寸法直しをしておきましょう。

寸法直しはどこでできる?

寸法直しは呉服店や着物専門クリーニング店、着物のメンテナンス専門店、仕立て屋などで依頼できます。

呉服店などで購入した際に測った寸法を記録してあるためマイサイズにお直しが可能です。

展示会や購入特典でクリーニングや仕立て直しなどのメンテナンスを行っている呉服店もあります。

催事での特典などの機会を利用するのもいいでしょう。

購入したことがない呉服店やデパートなどでも寸法直しのみ依頼できますが、手数料が必要になるかもしれません。

また、悉皆屋(しっかいや)といわれる着物のメンテナンス専門業者でも寸法直しを依頼できます。

悉皆屋や仕立て屋は呉服店やクリーニング店が仲介することもありますが、直接依頼できるところもあります。

最近はホームページから仕立てやお直しの受付をしている仕立て屋があります。

「○○和裁」、「仕立て屋○○」や「○○工房」と屋号についている仕立て屋に直接依頼してもいいでしょう。

寸法直しができる箇所

◆ 裄(ゆき)

袖幅と肩幅を合わせて裄といいます。

裄のお直しは袖付けをほどいて寸法を直します。

裄を広くする場合、縫い込みの量が少ないと希望の寸法にできません。

また、訪問着など袖付けに柄がある着物は柄がずれる場合があることを念頭に置いておきましょう。

裄直しの費用相場は7,000円から10,000円程度です。

◆ 身幅

衽幅・前幅・後幅を合わせて身幅といいます。

身幅の寸法を直すときは脇縫いでお直しすることが主です。

ただ、脇の縫い込みが少なく希望の寸法に伸ばせない場合があります。

その場合は衽幅を調節してお直しするといいでしょう。 身幅のお直しにかかる料金は13,000円から18,000円ほどです。

◆ 身丈

身丈の寸法を伸ばしたいときは、腰の部分にある内揚げの縫い込みがあれば伸ばせます。

内揚げの縫い込みが足りない場合は、揚げの位置でカットして布地を足すことも可能です。

短くする場合は内揚げで直す方法、裾で直す方法があります。

裾で直す場合はカットしてしまうため再び身丈を伸ばすことはできません。

身丈直しの相場は12,000円から16,000円程度です。

◆ 袖丈

振袖は袖の下の部分をカットし、袖丈の短い着物にお直しできます。

カットしてしまうため再び長い袖丈には戻せません。

袖丈を長くする場合、袖底に縫い込みが十分あれば可能です。

袖丈直しの価格は7,000円から10,000円程度かかります。

◆寸法直しができないとき

洋服と違い着物は縫い代を切らず、縫い込んで仕立てます。

元々の反物の幅が狭い着物で、縫い込み(縫い代)に余裕がない場合は幅出しや丈出しができません。

また、絵羽模様(留袖・振袖・訪問着など)の柄が途切れてしまう場合も難しいでしょう。

色ヤケがひどい場合は、ヤケ直しや染め直しをすることで寸法直しが可能になります。

寸法直しする箇所が多い場合は、一度ほどいて仕立て直しがおすすめです。

洗い張りにすると寸法を出したときに現われる折り目を消すことができます。

裏地を取り替えることで新品に近い仕上がりとなるでしょう。

マイサイズで着物を仕立てて美しく着よう

マイサイズで仕立てた着物は着崩れることなくきれいな着姿です。

サイズが合わない着物があれば寸法直しして着てみましょう。

自分にぴったりのサイズの着物は驚くほど着心地が良いはずです。

新しくマイサイズの着物を手に入れたいなら呉服屋さんでおあつらえしてみましょう。

adenabitoではマイサイズの着物の「おあつらえ」や寸法直しについてのご相談も承っています。

「母や祖母の着物をマイサイズに直したい」「マイサイズの着物を購入したいが不安」などのお困りごとはぜひ一度ご相談ください。

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